大阪堺市 自然療法サロン h o m a r e です。

前回は【 9. 意欲がある 】でした

続いてきた10ヶ条も最後になります。

10. 心が穏やか

心とからだは、気が付かないところで対話していることをご存じでしょうか?

心は、神経系・内分泌系・免疫系などと水面下でお互いが影響しあっています。

現在、生活習慣病や現代病など多岐にわたる疾病で、ストレスの関与がとり沙汰されています。

しかし心は、形があるものではないので見ることができません。科学的に分析することもできません。

自分の心が「 今、何を感じ、どのような状態になっているか 」自分を客観的に見て、自己観察することが役に立ちます。

私たちが何もしていない時、静寂の時間を過ごしている時。私たちの心はどのような状態になっているでしょうか?さわやかに感じることができているでしょうか?

心がプラスでもなくマイナスでもない。暗くなければ明るくもない状態…

外部の環境や自らが生みだす思考から離れ、自分の心をのぞいて見てどのように感じるでしょうか?

少し難しいことかもしれません。

現代人は意識がいつも外に向いていることが多く、また自らの思考をフル稼働させながら、日々を生きている人が多いためです。「 感じることも生きること 」です。

知性を働かせることは得意ですが、心を感じるという感性の部分は、昔の人のほうが能力が長けているように思います。

波風が全くない水面のごとく、落ち着いているように感じるでしょうか?

そのような心の状態の時、からだにも変化が現れます。

まず呼吸がゆったりしていて、肩や腕の力が抜け、余分な力が入っていない自然体の状態になっています。

東洋医学で【 心身一如 】という言葉があります。心が落ち着いていて、からだが緊張して力んでいることはあり得ないのです。

身体の余分な力が抜けていると、心も同様の状態になっているのです。

それが健康とどんな関係があるのか?

自然界の生き物である本能としての人間は、自分が生きてゆくことに関して、本能的無意識の部分で「 適している・適していない 」と判断するようです。

したがって心が穏やかでなく、負の感情的な状態になっている時。

本能的無意識は「 適していない 」と判断するようです。

そのように判断した場合、生命を守るために、身体に対応策をとるように仕向けます。

その一つに、闘争や逃走する対応策があげられます。この対応策により内臓や免疫系などの人体が影響を受けるのです。

例えば、筋肉活動が活発になることで内臓諸器官もその対応策をとります。

消化器系の臓器を停滞させ、肺や心臓などの心肺機能が亢進。

血圧を上昇させ、エネルギーを作るために代謝を活発にするように、体内が臨戦態勢を取ろうとします。

当然、体内で発生する活性酸素も増加してしまいます。

免疫系も外部からの菌の侵略に備え、内部免疫を低下させ外部免疫を高めるようにシフトします。

このような状態により、糖尿病・がん・心筋梗塞などの血管障害・高血圧・高脂血症など生活習慣病のリスクを高めるのではないでしょうか。

現在、食生活には注意を払う人たちが増えてきました。しかし、この本能的な心身の相関関係にのっとり、心の健康づくりを実践している方は意外に少ないように思います。

心が穏やかですと、生きるために働く本能的なからだは、生きるのに適しているとみなします。

したがって前記した、からだの対応策をとる必要がなくなるのです。

その結果、生活習慣病などのリスクを軽減させ健康づくりに大きく貢献してくれるのです。

また、心理的にも重要な側面があります。

私たちの感情や思考の方向性(明るい思考や暗い思考・肯定的思考か・否定的思考など)は、潜在的な心の環境によって大きく左右されています。

心が穏やかな状態

それは、潜在的な深い精神および肉体が、安定しているということなのです。

精神は理解できるが肉体も?と思うかもしれません。

しかし、足の指先をどこかにぶつけた時などは、心は穏やかではなくなるでしょう。

また熱があるとき、心も穏やかではなくなるでしょう。

私たちが考えているより、心はとても繊細に肉体の情報をキャッチしていることが分かっていただけると思います。

ちなみに、食生活や生活習慣も心は影響を受けています。食べ物をどんなものを食べるかで、心の環境も変わってくるのです。

心はそれほど繊細だということです。

自分の心と向き合うことが、健康状態を知るための有益な方法となりえるのと同時に、心の環境づくりに取り組むことで、治癒力を高めることもできるのです。

瞑想などを実践していると、自分で自分の心を感知する能力が身についてきます。

また、心の環境づくりにも素晴らしい効果がありますので、ぜひ実践に取り組んでいただきたいと思います。

心の状態が穏やかなときは、イライラさせるのに十分な出来事が起こっても、それほど感情は影響されなくなります。

また、思考も否定的思考から離れて、肯定的思考の傾向になります。

そうなると、日常のストレスがずいぶんと減ってきます。

ストレスは多くの疾病に影響を与えているため、健康力が高まるということです。

最後に大事なことは、心の環境づくりに外部環境を変えようとすることも時には必要です。リラックスを心がけることも必要かもしれません。

また、ストレスを発散することも大事でしょう。しかし、それにも限界があります。

自分の心の環境づくりを行う事に取り組む方が、断然賢い選択です。

自分の心の環境づくりを行うということは、自分の心を育てるということでもあります。

正確に言えば、本来の自分を取り戻す、ということかもしれません。

乳幼児は誰でもが心が穏やかで、大人ほどイライラしていません。

もともと私たちの心は「 穏やか 」だったんです。

しかし成長するにつれ、自我が発達し自我のまま生きること・大人になるまでに身についた価値観によって生きることにより「 穏やかな心 」は、隅っこに追いやられたようです。

幼少のころの昔の自分、もともとの自分を再発見し、ありのままの本質に近い自分を再確認できたとき「 穏やかな心 」は戻ってくるのかもしれません。