大阪堺市 自然療法サロン h o m a r e です。
興味深いニュースを見ました。狂言師には「長寿で、健康かつ元気な人が圧倒的に多い」そうです。指摘するのは、著書『和儀 医師もみとめた狂言トレーニング』の、茂山千三郎氏(狂言師)。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
以下・・抜粋
狂言師は長寿が多い。それは、伝統的な狂言技法にもとづいた所作や生活習慣が影響しているからである。
現代の日本人は、平均寿命の長さで世界的に抜きんでている。
しかし、単に平均寿命が長いだけでは「実は日本人は長生きしていない」と考えることもできる。
「長生き」を考える際に注目すべきは「健康寿命」という概念。
現代日本人は、平均寿命が延びる一方で、健康寿命はほとんど変わっていない。
健康寿命とは「日常生活を支障なく過ごせる期間」を指す。
(2022年の厚生労働省のデータ)
・日本人女性の平均寿命は87歳であるのに対し、健康寿命は75歳
・男性は平均寿命が81歳であるのに対して、健康寿命が72歳
男女ともに平均的に10年ほど、何らかの病気を抱えたり、介護を必要としたりしている。
西洋の生活様式が入る以前の日本人は、健康寿命と実際の寿命がほぼ一致していた。
その原因は、人として生き物として、体質に合わない生活スタイルを導入した弊害によるものである。
※「畳に座卓」から「テーブルと椅子」に、「和服、足袋、草履」から「洋服、靴下、靴」など
そんな現代においても、先述したとおり、狂言師のように、伝統的な日本の身体技法を取り入れている人々は、健康寿命が長く、80代や90代になっても現役で活動している例が多い。
これは、古来の歩行法や呼吸法を実践し続けていることが、健康寿命を維持するうえで効果的であることを示している。
要するに、現代の日本人は、寿命こそ長いものの、健康な状態で長生きすることができていない。
そのため、この状況を改善するために、昔ながらの身体の使い方や生活スタイルを見直し、健康寿命を延ばすことが大切になってくる。
【狂言師が長生きできる「4つの理由」】
日々の生活や舞台で実践している伝統的な身体技法や呼吸法にある。
これらの技法は、現代人にとっても非常に効果的な健康法として規範となりうるものである。
①重要視すべきは「呼吸法」
・酸素を効率的に体内に取り込み、血液の循環を促進することで、健康に重要な要素を活性化させる
・深い呼吸は副交感神経を刺激し、リラックス効果を生み出すため、精神の安定にも効果がある
②狂言師たちの独特な動きである「摺り足」
・狂言の摺り足は、上半身のブレをなくし、床をなでるように足を運ぶ独特な歩行法
・これにより、膝や腰に負担をかけることなく、体全体のバランスを保ちながら動くことができる
・このような歩行法は、じつは古くから日本人が自然におこなってきた歩き方であり、狂言師たちはこの伝統的な歩行法を現代においても実践している
・体幹を強化し、身体にあった正しい姿勢を保つことができ、健康寿命を支えている
③舞台で取り入れている「構え」
狂言においては、つねに自分の体の「軸」を意識し「天地人(天と地と人間)」を結びつける感覚を養う
・この「軸」を保つことで、体が歪まず、エネルギーの流れがスムーズになり、全身の調和が取れた状態を維持できる
・この構えは、身体のバランスだけでなく、精神的な集中力や直感力を高める効果もあり、心身ともに健康な状態を保つことができる
④日常的に「感謝」の精神を大切にしている
・舞台に立つ際、常に感謝の気持ちを持ち、それを演技や所作に反映させている
・感謝の精神は、心の安定やポジティブな考え方を生み出し、ストレスを軽減する働きを持っている
・現代の科学でも、ポジティブな感情が健康に与える影響が指摘されており、感謝を実践することで、健康寿命に寄与していると言える
これらが複合的に作用し、狂言師たちは長生きをし、健康寿命を延ばすことができているのです。
参考記事
なぜ昔の日本人のほうが「元気な状態で長生き」だったのか?「狂言師」に長寿が多い「4つの理由」(現代ビジネス) – Yahoo!ニュース