大阪堺市 自然療法サロン h o m a r e です。
近代的な農法で育った作物は、安価で消費者にとっては大変助かるものです。
古典的な農法で育った作物は、健康意識の高い方にとっては、大変ありがたいものです。
できるだけ自然農法に近い農作物をおすすめする理由、のお話しです。
近代的な農法は、作物ができるだけ育ちやすい環境を作り育てています。
肥料も、栄養がないと作物は大きくならない。たくさんの実をつけない。
農薬、害虫や菌に冒されて傷んでしまう..枯れてしまう。
しかし、自然界において「 生きていく 」ということは、困難・逆境に打ち勝ちながら、生を維持するということでもあります。
もし、私たちの人生で「 困難や逆境 」という出来事がないとすれば、精神も肉体も弱々しくなり、ストレスに弱く病気にかかりやすくなるでしょう。「 困難や逆境 」ばかりでは、これも困ったことになりますが、適度に、それがある事で、生きる生命力が高まります。
植物も同様です。
降り注ぐ太陽の光の紫外線。これにより、植物は組織を損傷してしまいます。
そのため、抗酸化物質という自身を守る物質を自らが作り出し、それから自身の生を保護しようとします。
もし、紫外線が当たらなければ、植物は抗酸化物質はさほど作らないでしょう。
ですから、抗酸化物質で例をとるとビタミンCは、太陽光線がよく当たる果物に多く、土の中でとれる作物は一般的に、果物と比べると少ないのです。
また、植物も細胞の連なりで自身全体ができています。何かの菌に自身が感染すれば、損傷する細胞が広がっていき、やがては枯れてしまう。
人間は、白血球という免疫を司る機能がありますから、菌を白血球が殺傷してくれます。
しかし、植物には、この白血球に相当する免疫細胞は持ち合わせていません。
では、植物はどうするのか・・・
菌に感染した細胞を、わざわざ自然死(細胞のアポトーシス)させて、他の細胞に菌が広がらないように対策をとります。もちろん、人間の細胞にも、この機能が備わっています。
昨今、コロナ感染が問題となっていますが、免疫の働きという側面で、免疫力を高めましょう、とうたっていますが、初期の感染では、ウイルス感染した細胞を除去する仕組みの方が大事だと思います。
恐らくは、鼻腔や口腔でウイルスが付着してPCR検査で陽性が出ても、発症する方としない無症状の方がいるのは、このウイルス感染した細胞を免疫が馳駆するよりも、排除する作用に優れている方が発症しないのだと思います。細胞組織力が強いということなのではないでしょうか。
つまり、、逆境に打ち勝つ力が高いということになります。
植物に話を戻します。
もう一つ、感染した細胞を除去する方法以外に、害虫などが嫌いな成分を作り出して、近よってこないようにする工夫もあります。
人気があるブロッコリーやブロッコリースプラウトの抗酸化物質・解毒作用物質「スルフォラファン」は、植物自らが害虫から自身を守るために編み出した有効成分です。
冒頭でお話ししましたが、植物も人間同様に、「 生きていくための逆境 」がなければ、人間にとって健康成分である栄養は、作らないのです。
自然的栽培法は、この点で「 見た目重視の温室育ちの作物 」より優れているのです。
栄養学や医学には次の考え方はありませんが、逆境の中で育った作物は生命力が優れています。
生命力は、自身の組織の「 調和・修復・成長 」の根源に存在する生命エネルギーです。
このようにして植物自ら生命力があるが故に、たくましく生きるために、抗酸化物質や抗菌物質などを作り出すのです。
例えば、タマネギ。スーパーで購入したタマネギを料理に使用せずに数ヶ月冷蔵庫の中で保存していたらどうなるでしょうか?
黒ずんできて、水が出てきて、グニャッとして丸い形状が崩れてきます。
しかし、自然農法のタマネギは、そうはなりません。黒くもならず、水も出ず、形も崩れません。劣化しづらいのです。
収穫し、冷蔵庫に保存されているタマネギにしてみれば、その状態は大きな逆境にあります。
自然農法のタマネギは、逆境に打ち勝とうとする「 生命力 」が高く、その高い生命力のタマネギを人間が食べることで、生命力を取り入れることができます。
その結果、人間も、様々な生物学的逆境に打ち勝つたくましさが生まれ、病気にかかりにくくなるのです。
東洋的食理論では、食べるということは命をいただくこと。命とは生命力のことです。
だから、日本人は「いただきます」と、言うのです。食べるということは、その食材の命をいただくことであり、生命力をいただくことであるのです。
昔の日本人は、このようなことを知っていたのでしょう。
自然農法に近い作物は、少々値段も高くつきますが、栄養という観点からも、生命活動の原動力である生命力という観点からも、大変優れていますので、できるだけ自然に近い農法で育てた作物をおすすめしています。
単に、農薬などの成分が口から入ってこないから安心というだけではありません。
家畜も含めてですが、生命力の高いたくましい食材は、人間の心身もたくましく、強くするのに一役買っているのです。
私たちは生きていると、様々な苦難や逆境があります。呼吸をするだけで、この逆境は生じているのです。雑菌やウイルス、芳香成分や様々な有害物質が大気中に存在しているのですから。これらの些細な逆境が、体内ではたくさん起きているのです。
いつまでも若く、あまり病気もしない方は、この体内で生じている逆境を制御する力が高いのだと推測します。
つまり・・・生命力です。
その生命力は、私たちが食べている食材の中に存在しているのです。
そのような理由で、自然に近い作物をおすすめしています。
すべての食材を、それにすることは困難ですが、できうる限りたくましい環境で育った
食材を選んでいただきたいと思います。